不動産鑑定士の一日の勉強は一日に1科目を集中してやるのがいいでしょうか。
それとも全科目を一日にやったほうが良いでしょうか。
これには科学的な答えがあるので、その研究について解説します。
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結論:一日全科目が断然おススメ
結論:圧倒的に一日に全科目です!
不動産鑑定士試験の科目は鑑定理論、経済学、会計学、民法、行政法規の5科目です。
そのため
①1日1科目勉強する場合は6日目に1日目の復習をして覚えなおす。
②1日5科目をする場合は2日目に一日目の復習して覚えなおす。
この場合は、②の2日目に復習したほうが覚える時間が短くて済みます。
根拠についてはエビングハウスの忘却曲線とウォルター大学の研究結果があるので解説します。
エビングハウスの忘却曲線とは?
ドイツの研究者エビングハウスが記憶の節約率と日数の関係をグラフにしたものです。
節約率とは最初に記憶したことを再び同じように記憶する場合に節約できる時間のことを言います。
このグラフが示すことは
20分後には、節約率が58%であった。
11時間後には、節約率が44%であった。
約9時間後には、節約率は35%であった。
1日後には、節約率が34%であった。
2日後には、節約率が27%であった。
6日後には、節約率が25%であった。
1ヶ月後には、節約率が21%であった。
参考:wikipedia
これを鑑定士試験に当てはめる場合、
一日1科目勉強するとすると、1日目の科目は6日目に復習します。その時に一日目の勉強を復習して覚えなおすには一日目の勉強量の80%が必要になります。
一日全科目するとすると、2日目に1日目の勉強を復習して覚えなおすには66%で済みます。
つまり、一日目に1時間勉強した場合に、その記憶を再び覚えなおす復習時間は
一日一科目:48分
一日全科目:40分
ということになります。
ただし忘却曲線は無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を覚えなおすのに要した時間です。そのため、資格の勉強のようにストーリーや理論があることを覚える場合はより少ない時間で復習しなおすことができるでしょう。
カナダウォータル大学の研究結果が示す効率のいい勉強
忘却曲線よりはウォータル大学の研究結果のほうが資格の勉強の記憶の関係を表していると思いますのでこちらについても解説します。
これは1時間学校で講義したことの記憶力について時間の経過を示したものです。
このグラフの黒い線は勉強した後に復習しない場合の記憶率です。
2日目には覚えたことの50%~80%を忘れており、30日目には2~3%程度しか覚えていないことになります。
このグラフのオレンジ色の線は復習した場合の記憶率です。
・2日目に10分を復習時間にあてた場合は記憶が100%に回復。
・さらに1週間後に5分復習するとまた記憶が100%に回復。
。さらに1か月後に2分~4分復習すればまた記憶が100%に回復。
勉強は2日目、7日目、一か月後に復習をするのが効率的ですね。
参考:Curve of Forgetting Univercity of Waterloo
10分で全科目を勉強する方法
おっしゃることは分かります。
どうしてもやる気が出ないとき、時間が無いときはこの勉強で乗り切ってください。
- 鑑定理論:基準を1文だけ音読する。
- 行政法規:〇×問題を一問解く。
- 経済学:グラフを一つだけ書く。
- 会計学:基準を一文音読する。
- 民法:規範定立を一文音読する。
勉強時間が増えてきたら2文、3文と暗記するようにしましょう。そして、苦手な科目の勉強時間を増やしていきましょう。
暗記方法についてのおすすめの書籍
不動産鑑定士試験は難関資格と言われていますが、効率の良い勉強をすれば2000時間程度で充分一発合格することが可能です。
暗記の方法についてはこちらの書籍がおすすめです。わたしも受験生時代参考にしていましたので是非読んでみてください。
ずるい暗記術―――偏差値30から司法試験に一発合格できた勉強法